2019年8月

礼和元年度宮崎市郡外科医会秋期講演会のご案内

田中俊正先生の講話

奨励賞受賞:谷口智明先生のご感想

次世代の臨床外科医のためのセミナーに参加して (櫻原大智先生、千代反田顕先生、坪井浩一先生)

国内外科研修に参加して(池ノ上 実先生)

谷口 智明先生(宮崎大学医学部外科学講座)

宮崎大学医学部外科学講座の谷口智明と申します。2015年に宮崎大学を卒業し、2017年度から外科学講座のスタッフに加わらせて頂きました。手術を生業とする外科医に憧れを抱いてから10年近く経ち、実際に外科医として診療に携われるようになったことに喜びを感じながら、日々仕事をさせて頂いております。
外科医となって目の当たりにした、実際の外科医の仕事内容は、診療にあたる地域で少し異なり、殊に宮崎県の様な地域では、比較的多岐にわたる分野への対応が求められる事があります。広い分野に自ずとある程度精通することは、有利な点もある一方で、臓器別の専門分野(サブスペシャリティ)の研鑽が、より一層重要である事も認識させられます。
治療の甲斐なく悔しい思いをする事もありますが、手術で根治や改善が得られた時の喜びは、患者さん本人にとってはもちろんの事、私たち外科医にとっても、非常に大きなものであると、日々感じております。
10年後、20年後に、宮崎から日本の外科医療を支える人材の一人となれるよう、引き続き研鑽と修練を重ねて参ります。

谷口智明先生は2019夏期講演会で奨励賞を受賞されました
谷口智明先生は2019夏期講演会で奨励賞を受賞されました

 

池ノ上 実先生(宮崎大学医学部外科学講座)

臨床外科国内研修後記

日本臨床外科学会国内研修に応募し、慶應義塾大学の一般消化器外科教室で2週間国内研修をさせて頂いた。慶應義塾大学の一般消化器外科教室は、上部消化管外科、下部消化管外科、肝胆膵外科、血管外科より構成されており、第一線で活躍される先生方が各分野のチーフを務めている。今回、私は食道癌手術を中心に上部消化管、下部消化管の手術見学をさせて頂いた。手術は、いかに安全に、効率よくするか工夫されており、「新しい手技」を必ずしもよしとするわけではなく、例えば食道癌手術で小開胸を加える、ベッドのローテーションを利用して腹臥位の視野もとれるようにするなど「新しいわけではないがリーズナブルな手技」も広く取り入れていた。それら一つ一つの手技に豊富な経験と医学的根拠に基づいた理論があった。また、研究や学術的な活動についても大変な実績を有しており圧倒された。講座独自の動物飼育施設、実験施設も備えており、研究に関しては大講座制の利点を生かして分野横断的に進めていた。食道手術を中心に、実際の写真を交えながら今回学んだ事や感じた事を提示する。

櫻原 大智先生(宮崎大学医学部付属病院外科学講座)

次世代の臨床外科医のための特別セミナーの報告

2019年2月2日、3日の二日間で開催されました「第7回次世代の臨床外科医のための特別セミナー」に参加して参りました。著名な先生によるこれまでの手術経験や海外研修や若手医師による手術ビデオの報告などがありました。中でも私は、同世代の若手外科医がビデオセッションで積極的に手術ビデオの紹介やそれらに対する質問などをしている様子に強く刺激を受け、日々の修練への活力となったことが印象的です。セミナーの報告を当日の写真なども含めましてご報告いたします。

千代反田 顕先生(宮崎大学医学部附属 病院外科学(当時))

2019年2月2日、3日に、東京で開催された日本臨床外科学会主催の第7回「次世代の臨床外科医のための特別セミナー」に出席した。会場は東京のグランドプリンスホテル高輪の一室で全国から3名ずつ参加していた。学生から年配の方まで参加していたが、医師歴数年の世代が多かった。2日間にわたり各分野で活躍されている先生方が講演された。1日目の講演内容は、参議院議員の足立先生による医療政策の話から、若手外科医の手術動画に対して一流の先生がアドバイスするパネルディスカッションまで幅広く、専門分野も胸部外科から上部、下部消化管、鼠経ヘルニアと盛りだくさんであった。2日目は“私が理想とする外科医”というテーマで3人の先生がご自身の人生経験を踏まえてお話してくださった。2日目のお昼で終了となった。地方で生活しており同期も多くはない状況で、百数十名の同世代の外科医を目の当たりにしたことは、それだけでも刺激的な時間でした。また、著名な先生方が我々の目線からお話してくださることはなかなかない機会であったと思います。このような大変有意義なセミナーに参加させていただき誠にありがとうございました。今後の人生の姿勢に生かしていきます。

宮崎県外科医会夏期講演会報告

宮崎県外科医会会長 白尾一定

令和元年8月16日に宮崎県外科医会夏期講演会(日本臨床外科学会地方会)が宮崎県医師会館にて開催されました。社保指導は、理事の下薗孝司先生より、肺血栓塞栓管理料は腹腔鏡手術で算定できる。感染性腸炎に原則的に抗生物質の投与は不可、内視鏡的乳頭切開時のバスケットカテーテルを用いた場合は、K687-2、用いない場合はK687-1の請求、請求術式と症状詳記に記載してある術式が異なる場合があることなどを指導して頂きました。今年2月2,3日に日本臨床外科学会「次世代のための特別セミナー」に参加された宮崎大学 櫻原大智先生、千代反田顕先生、古賀総合病院 坪井浩一先生よりセミナー内容について説明して頂きました。充実した2日間であった印象でした。特に、坪井浩一先生は、現在東京にて勤務中で、ご自分の経験を交えて宮崎での外科研修についてお話頂き有難う御座いました。国内外科研修は、宮崎大学の池ノ上実先生が、慶応義塾大学一般消化器外科で2週間の国内研修について報告されました。2週間という短い期間でしたが、実り多い研修であったと感じました。会員発表は、7演題で、最初の5演題は、宮崎大学の池田拓人先生、次の2演題は県立宮崎病院の大内田次郎先生に座長をお願いしました。最初の5演題の中から若手奨励賞を選びました。理事、顧問、座長より1演題を選択して頂き集計した結果、宮崎大学谷口智明先生の「大動脈解離発症後に、穿孔性腹膜炎が疑われた1例」が受賞しました。おめでとう御座いました。5年目以降の先生の発表も内容の深い発表でした。熟練外科医から若手外科医については、田中外科内科医院院長の田中俊正先生にお願いしました。外科医として何が大切なのかを経験を交えてお話して頂きました、深く感謝申し上げます。総合司会の宮本耕次先生には、参加者に解りやすく説明を加えながら司会進行して頂きまして有難う御座いました。夏期講演会の詳しい内容は本HPに記載しますので、ご覧ください。次回は、10月25日(金)秋期講演会、鹿児島市立病院外科 柳政行先生に「内視鏡外科技術認定のポイントとさつま鏡塾について(仮)」の特別講演とハンズオンセミナー(経皮的気管切開術等)なっています。皆様のご参加を宜しくお願いします。