池ノ上 実先生(宮崎大学医学部外科学講座)

臨床外科国内研修後記

日本臨床外科学会国内研修に応募し、慶應義塾大学の一般消化器外科教室で2週間国内研修をさせて頂いた。慶應義塾大学の一般消化器外科教室は、上部消化管外科、下部消化管外科、肝胆膵外科、血管外科より構成されており、第一線で活躍される先生方が各分野のチーフを務めている。今回、私は食道癌手術を中心に上部消化管、下部消化管の手術見学をさせて頂いた。手術は、いかに安全に、効率よくするか工夫されており、「新しい手技」を必ずしもよしとするわけではなく、例えば食道癌手術で小開胸を加える、ベッドのローテーションを利用して腹臥位の視野もとれるようにするなど「新しいわけではないがリーズナブルな手技」も広く取り入れていた。それら一つ一つの手技に豊富な経験と医学的根拠に基づいた理論があった。また、研究や学術的な活動についても大変な実績を有しており圧倒された。講座独自の動物飼育施設、実験施設も備えており、研究に関しては大講座制の利点を生かして分野横断的に進めていた。食道手術を中心に、実際の写真を交えながら今回学んだ事や感じた事を提示する。