お知らせ

宮崎県外科医会秋季講演会

内視鏡外科技術認定取得への情熱 ~鹿児島編~

鹿児島市立病院消化器外科科長
柳 政行

外科医が、手術が上手くなりたいと思うのは当然ですが、「上手い」の評価は難しいです。日本内視鏡外科学会の技術認定は、ビデオ審査で客観的に「内視鏡外科手術を安全かつ適切に施行する技術を有しかつ指導するに足る技術を有している」ことを“学会”が評価・認定してくれる、なんとも有難く、名誉なものです。本当の実力とは異なるかも知れませんが、ある一定レベル以上の技術習得者であるとの信頼は得られ、自信となります。

この制度(消化器外科・一般外科)は、合格率が約30%という厳しさながらも取得希望者は多いです。なぜなら、内視鏡外科手術の技術は進歩し、限りなく開腹手術に近づき且つ凌駕しようとし、また患者さんからの要望も増加し、外科医にとって開腹手術の何倍もの熟練を要したとしても、この技術を持たない消化器外科医は、近い将来、その存在意義が危ぶまれると予測されるからです。近年示された消化器のロボット手術導入指針において、術者条件に技術認定取得が含まれているのが一例です。

技術認定取得は、合格率が示すように容易ではありません。各自の相当なる「情熱」と「努力」が必要です。経験で得る知識や技術だけではなく、テキストやビデオでの勉強、ドライボックスでのトレーニング、ビデオクリニック・講演会・学会への参加、動物やカダバーなどの講習会参加、多施設の手術見学など、習得方法は多岐にわたります。が、講演会や講習会が行われる地は、南九州からは遠いことが多いです。そこで、鹿児島では2008年より「さつま鏡塾」と題したビデオクリニック・講演会を50回以上、その他にも結紮縫合セミナー、大学医局主催の動物施設でのトレーニング、コメディカルスタッフ対象のオペナーシングセミナーなどを開催し、若手の育成や鹿児島全体のレベルアップに取り組んできました。現在、鹿児島には20名以上の技術認定取得者がいます。

鹿児島の内視鏡外科のこれまでの経緯と現状を紹介させていただき、これからの宮崎の内視鏡外科の発展のための御参考になれば幸いです。

第7回宮崎大学がんセンター医療連携講演会のご案内

Miyazaki Risk Management Forumのご案内

宮崎県外科医会秋期講演会のご案内

礼和元年度宮崎市郡外科医会秋期講演会のご案内

田中俊正先生の講話

奨励賞受賞:谷口智明先生のご感想

次世代の臨床外科医のためのセミナーに参加して (櫻原大智先生、千代反田顕先生、坪井浩一先生)

国内外科研修に参加して(池ノ上 実先生)

宮崎県外科医会夏期講演会報告

宮崎県外科医会会長 白尾一定

令和元年8月16日に宮崎県外科医会夏期講演会(日本臨床外科学会地方会)が宮崎県医師会館にて開催されました。社保指導は、理事の下薗孝司先生より、肺血栓塞栓管理料は腹腔鏡手術で算定できる。感染性腸炎に原則的に抗生物質の投与は不可、内視鏡的乳頭切開時のバスケットカテーテルを用いた場合は、K687-2、用いない場合はK687-1の請求、請求術式と症状詳記に記載してある術式が異なる場合があることなどを指導して頂きました。今年2月2,3日に日本臨床外科学会「次世代のための特別セミナー」に参加された宮崎大学 櫻原大智先生、千代反田顕先生、古賀総合病院 坪井浩一先生よりセミナー内容について説明して頂きました。充実した2日間であった印象でした。特に、坪井浩一先生は、現在東京にて勤務中で、ご自分の経験を交えて宮崎での外科研修についてお話頂き有難う御座いました。国内外科研修は、宮崎大学の池ノ上実先生が、慶応義塾大学一般消化器外科で2週間の国内研修について報告されました。2週間という短い期間でしたが、実り多い研修であったと感じました。会員発表は、7演題で、最初の5演題は、宮崎大学の池田拓人先生、次の2演題は県立宮崎病院の大内田次郎先生に座長をお願いしました。最初の5演題の中から若手奨励賞を選びました。理事、顧問、座長より1演題を選択して頂き集計した結果、宮崎大学谷口智明先生の「大動脈解離発症後に、穿孔性腹膜炎が疑われた1例」が受賞しました。おめでとう御座いました。5年目以降の先生の発表も内容の深い発表でした。熟練外科医から若手外科医については、田中外科内科医院院長の田中俊正先生にお願いしました。外科医として何が大切なのかを経験を交えてお話して頂きました、深く感謝申し上げます。総合司会の宮本耕次先生には、参加者に解りやすく説明を加えながら司会進行して頂きまして有難う御座いました。夏期講演会の詳しい内容は本HPに記載しますので、ご覧ください。次回は、10月25日(金)秋期講演会、鹿児島市立病院外科 柳政行先生に「内視鏡外科技術認定のポイントとさつま鏡塾について(仮)」の特別講演とハンズオンセミナー(経皮的気管切開術等)なっています。皆様のご参加を宜しくお願いします。